月に1回、茶道のお稽古に通っているというアイリス・ウーさん。
「そろそろお稽古用の着物が欲しいな」という彼女が、最初の一枚に
「汚してしまっても洗濯機で洗えて安心だから」と、シルックきものを誂えることに。
そのお買い物に密着しました。
向かったのは、横浜タカシマヤ。呉服売り場の一角に、シルックの反物がずらりと並んでいます。顔を近づけ、触れてみて、「これもシルック? 見た目も手触りも、絹と違いがわかりませんね」とアイリスさん。
さっそく「茶道に向く着物はどれでしょう?」と、販売員の石綿さんに訊いてみると、「シルックには、お茶向きのものがたくさんありますよ。お稽古用なのか、お茶会用なのかによっても、向く着物に違いがありますが、どんな用途のものをお探しですか?」との返答が。
「はじめての着物なので、まずはお稽古用がほしいんです」と伝えたアイリスさんですが、「でも、せっかくなら、お茶だけじゃなくて、ふだんのお出かけにも着られるといいな」というのが本音です。
用途によって、適した着物が違います。
着たいシーンを具体的に伝えましょう。
アイリスさんの希望に沿って、石綿さんがすすめてくれたのが、全体に柄が入った「小紋」です。「小紋はカジュアルな場面に向くおしゃれ着なので、お茶のお稽古着にはもちろん、ふだんのお出かけ着としても楽しめます」とのこと。
色柄豊富な小紋ですが、お茶に向くのは無地場の多い飛び柄や、あっさりした上品な柄ゆきのもの。シルックには、お茶のお稽古向きの小紋「棗」シリーズもあります。
小紋のほか、柄のない「色無地」も茶道では万能な着物としておすすめ。「一ツ紋を入れれば略礼装になる色無地は、お稽古からお茶会まで着まわせるので、一枚あると便利ですよ」とのこと。
おすすめの反物を前に、「やっぱり柄があったほうがいいかな。濃い色もいいかも?」と、アイリスさんは思案顔。眺めているだけではイメージがつかみにくいので、気になる反物を広げて体に当て、石綿さんと一緒に顔映りを確かめます。
なかでも、アイリスさんが「この淡いブルーの色が好き」というのが、小さな丸紋を散らした小紋。その反物を、石綿さんがくるくると広げて衿や袖を形づくり、体に巻きつけてくれました。「まるで着物を着ているみたいに見える! 不思議!」と目を丸くしながら、「爽やかで派手すぎない雰囲気で、いろいろなシーンで着られそう。これにします!」と笑顔のアイリスさん。着姿がイメージできて、お気に入りの一枚が見つかりました。
反物が決まったら、アイリスさんにぴったりのサイズに仕立てるため、身体の寸法を測ります。今回は9月のお稽古に向けて、裏地のない単衣(ひとえ)の着物を仕立てることに。
まずは、「裄(ゆき)」を測ります。腕を斜め45度に広げて立ち、背中心(首の後ろ中央にある骨の突起)から肩の真上を通って手首までの長さを、メジャーで測ります。
「裄は1尺8寸7分ですね」と石綿さん。「んんっ?」耳慣れない言葉にアイリスさんが戸惑っていると、「だいたい71㎝くらいですよ」とのこと。和裁の寸法には今も昔ながらの「鯨尺(くじらじゃく)」が用いられていて、1尺=37.88㎝です。
他に、身長、バスト、ヒップを測れば、採寸は終了。これらの数字から、きものの各部の寸法を計算式で割り出していきます。「茶道では正座が多いので、前幅は少し広めにするといいですよ」とのアドバイスも。また、仕立て上がるまでにおおよそ45日間かかります。(時期により異なります)
「この着物には、どんな帯が合いますか?」というアイリスさんに、「小紋に織りの名古屋帯を合わせれば、きちんとした印象になるので、お茶のシーンに向きますよ」と石綿さんが提案。選んだのは、オフホワイト地に花唐草が織り出された名古屋帯で、透明感のあるモダンな雰囲気がアイリスさんにお似合いです。
帯揚げや帯締めの色合わせは、「帯や着物からひと色を取っても、差し色を入れても。小物ひとつでイメージが変わりますよ」と教わり、ほんのりピンク色の帯揚げと帯締めをピックアップ。
こうしてコーディネートを完成させたアイリスさん、「わからないことばかりだったけれど、たくさん勉強になったし、楽しくお買い物できました。早く着てみたいです!」と、満足げに語ってくれました。
高級ポリエステルきものとして、フォーマルな装いから普段のお洒落着まで愛用されている「シルック®︎きもの」。
絹のような優雅な光沢と美しい色合いながら
洗濯機で洗えるので、天候を気にせず着用できます。
※アイリスさんが着用しているのは、全アイテム、
東レのテキスタイルブランド「リランチェ」を
使用しています。